茨城県大洗町、AI搭載の広域監視防災システム「火の見櫓AI®」を全国初導入

2024/11/19

2024年11月14日、茨城県大洗町消防本部にて、AIを活用した広域監視防災システム「火の見櫓AI®」の運用開始を記念する式典が開催されました。このシステムは、江戸時代から防災の要として機能してきた火の見櫓を現代技術で再現し、AI技術を駆使して広範囲の火災や煙を早期に検知するものです。

式典の概要と主な発言

式典では、大洗町の國井豊町長(消防長)が「早期に火災を発見できることで、安心・安全な大洗町をアピールできます。災害はないに越したことはありませんが、有事の際には早期に対策が取れるようになります。さらに、観光地としての受け入れ態勢も整うと考えています」と述べました。

また、飯田英樹町議会議長は「AI搭載ということで、さまざまな可能性を感じています。最近の火災も初期対応ができていれば被害を最小限に抑えられたと思います。今後も町と消防団が一体となって町の安全に取り組み、このAIシステムにも期待しています」とコメントしました。

消防本部の二階堂均消防次長は「ここ数年、夜間に空き家などの無人建物からの出火の発見と通報の遅れが被害の拡大を招く大きな課題でした。AIを活用した火災監視システムに可能性を見出し、調査の過程で今回のAIシステムに出会い、導入に至りました。24時間火災を監視してくれるこのシステムは、大洗町の安心・安全の要になると考えています」と説明しました。

アースアイズ株式会社の代表取締役である山内三郎氏は「このシステムを火の見櫓AI®と名付けました。江戸時代より高所から火災を発見するためのものであった火の見櫓は、現在では通報など通信環境が整ってきたことで役割が減少しています。AIを活用して高所から俯瞰的に監視するという点で、現代版の火の見櫓と言えるでしょう。火の見櫓AI®は、500mから800m先までを見渡し、AIで煙や火災を検知し早期発見することができます。当社のコンセプトは事件事故を未然に防ぐことです。このシステムを活用して町の防災に貢献していきます」と述べました。

火の見櫓AI®の特徴と導入背景

火の見櫓AI®は、高所に設置することで広範囲を俯瞰し、火災や煙、その他の自然災害や不審な動きなどをAIで検知できるシステムです。今回の大洗町消防本部には、火災と煙を検知できるように特化してAIに学習させています。煙や15cmの火柱でも検知できる技術を備えており、早期発見が可能です。録画装置機能しかない単なる防犯カメラとは異なり、24時間AIが360度見渡せるカメラで常時監視し、異常があれば通知します。現代社会の大きな課題となっている自然災害と地域防犯において、深刻化する災害対策や複雑化する街の防犯対策に活躍し、早期対応を実現します。

アースアイズ株式会社の技術について

アースアイズ株式会社は、従来の「記録するだけ」に留まる防犯カメラとは一線を画し、AIが24時間監視し不審な動きや異常を検知する最先端AIが搭載された防犯カメラシステムの開発から始まりました。かつて、万引犯を捕獲する保安員としての経験がある代表の山内三郎氏が、AIに万引きをしようとする不審者の動きを覚え込ませたことにあります。現在では、それが売上げアップにも繋がると商業施設において活用されています。アースアイズは3Dで物の大きさや距離を測る技術をはじめ、スマートフォンへの通知システムなど、多くの特許を取得し、その後もさまざまな用途に応じて技術を応用して社会に貢献しています。

火の見櫓の歴史と現代版への進化

江戸時代に起源を持つ火の見櫓は、高い塔の上部に鐘を設置し、火災を知らせる防災設備として広く利用されてきました。しかし、通信技術の発展により、その役割は徐々に減少しました。

現代版の火の見櫓ともいえる火の見櫓AI®は、この伝統を受け継ぎつつ最新技術を採用。AIによる早期火災検知機能を備えたカメラが、地域社会の安心と安全を守ります。


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著者:muun編集部

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