2025年保存版|“選ばれ続ける”ための集客戦略―データと物語を両輪に回す超実践ガイド

2025/04/25

集客とは、物語をつくること

「集客」は、ただ人を集めるだけの作業ではありません。お客様が最初にあなたを知った瞬間から、何度も訪れ、誰かに紹介したくなるまで――ブランドとのつながりを切らさずに「体験」を重ねてもらうことが大切です。

でも今は、広告、SNS、動画、メール、イベントなど、やるべきことが多すぎて、バラバラに動いてしまいがち。せっかく集客しても、学びや成功が組織の中で共有されず、繰り返せないのはもったいない!

この文章では、

  1. 集客の「戦略」をどう考えるか
  2. いろんなツール(SNS・広告・データ)をどうつなげるか
  3. チームとしてどう動くか

の3つの視点をもとに、13章立てでわかりやすく解説していきます。

1. 戦略は「図面」ではなく「脚本」で考える

集客戦略というと、まず「設計図」を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、図面のようにかっちりと固めてしまうと、現場ではただ線をなぞるだけの“作業”になってしまいがちです。だからこそ、戦略はもっと「物語」のように考えるほうが効果的です。

たとえば映画やドラマの脚本を思い出してみてください。登場人物がいて、舞台があって、ストーリーが流れていきますよね? 集客も同じです。お客様が“主人公”で、あなたのブランドやサービスが“舞台”になる。さらに、主人公が困っている場面(悩みや課題)をどうやって乗り越えるか、そのストーリーにあなたがどう関わるかを描いていくのです。

このとき重要になるのが「ペルソナ」という考え方。たとえば「25歳・女性・都内在住」などの基本情報だけでは足りません。「朝はコーヒーを飲みながらSNSを見る」「仕事終わりにYouTubeで旅行動画をチェックする」など、日常の細かい行動や気持ちまで想像することで、よりリアルなお客様像が浮かび上がります。これがしっかり描けていると、広告やSNSのトーンもぶれなくなります。

2. 短期と長期の「ゴール」を両方持つ

集客を考えるとき、多くの人は「売上」や「登録者数」といった“わかりやすい数字”に目がいきがちです。もちろん、それらの短期的な成果も大切です。ただし、それだけを追いかけすぎると、お客様の信頼やブランドの価値を損なうリスクがあります。

だからこそ、もうひとつの「長期的なゴール」――たとえば「このブランド、なんか好きかも」「このサービス、友達にも教えたいな」といった信頼・共感・好意といった感情の積み重ねも一緒に考えることが大切です。

たとえば、オンラインスクールの場合。「受講者数」を増やすことだけを目標にしてしまうと、値下げや強引なアップセルで一時的に数が伸びても、学びの質が下がって途中で辞める人が増えるかもしれません。でも、長期的な目標に「完走率」や「学習の満足度」を置いておけば、最初の売上だけでなく「信頼されて続けられるブランド」を育てることができます。

つまり、「ビジネスゴール(数字)」と「ブランドゴール(感情)」の2つを同時に意識することで、集客はよりバランスの取れた、持続可能なものになっていきます。


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3. 「シチュエーション」で考える

昔は「年齢」「性別」「職業」などの情報だけで、ある程度お客様の傾向をつかむことができました。でも今は、同じ30代の会社員でも、働き方も趣味も価値観もバラバラです。そんな時代には、単純な属性(=セグメント)ではなく、「どんな状況で、どんな気持ちになったときに、その商品を必要としたか?」という“シチュエーション”で考えるほうが、ずっと有効です。

たとえば、同じ「スニーカーを探している男性」でも、月曜の朝に通勤用で探すのと、金曜の夜に週末レジャー用で探すのとでは、求めているものが違います。朝なら「歩きやすさ」や「軽さ」、夜なら「デザイン」や「ブランド感」かもしれません。つまり、時間や場所、気分によって、人の欲しいものは変わるのです。

この「シチュエーション視点」を集客に取り入れると、広告やSNS投稿の内容やタイミングを、お客様の気持ちに合わせて出すことができます。その結果、「あっ、まさに今これが欲しかった!」という“ちょうどいいタイミング”で届けることができるのです。

お客様を深く理解したいなら、「誰が」よりも「いつ・どこで・何を感じたか」を考えることが近道です。

4. USPは「交換条件」で伝える

USP(Unique Selling Proposition)とは、「この商品やサービスが他と違うところ、特別な強み」のこと。でも、企業側が「ここがすごい!」と一方的にアピールしても、お客様の心にはなかなか響きません。

大切なのは、「お客様が何を差し出して、代わりに何を得られるのか」という“交換条件”として伝えることです。たとえば、ある高級ホテルが高い宿泊料金を設定していても、それに見合う「非日常の特別な体験」や「心のゆとり」を提供してくれるなら、お客様は納得してお金を払ってくれます。

この視点を持つと、シンプルな言葉もぐっと心に届くようになります。たとえば「即日配送」という特徴も、ただ速いだけでなく、「今日のうちに不安を解消したい」というお客様の気持ちに応える“安心感の提供”だと捉えれば、よりリアルに伝わります。

USPを考えるときは、「企業の都合」ではなく、「お客様の立場」で。お客様が差し出すお金や時間に見合う“納得できる理由”を、一対の交換条件としてセットで伝えることが、心を動かすポイントです。

5. ファネルを「ドラマ」にする

集客でよく使われる「ファネル」という言葉。これは、出会いから購入・継続までの流れを、だんだん細くなる“じょうご”のような形にたとえた考え方です。でも実際のお客様は、ただ数字として移動するわけではなく、その都度、感情が動いています。

だからこそ、ファネルを「ドラマ」のように考えてみましょう。お客様一人ひとりに、小さな物語があるんです。

たとえば

  1. 出会い:何気なく見たTikTokの動画が妙に気になって、ブランド名が頭の片隅に残る。
  2. 惹き込み:数日後、Instagramで別の投稿を見かけて、「これ、前にも見たかも」と思い出す。
  3. 決断:夜、検索してランディングページ(LP)にたどり着き、よくある質問やデメリットもしっかり書かれていて「ここなら安心できそう」と感じる。
  4. 語り合い:購入から一週間後、使い方ガイドやコミュニティへの招待が届き、「これ、友達にも教えたいな」と思う。

このように「出会い→惹き込み→決断→語り合い」の4シーンをあらかじめ台本のように設計しておけば、広告やSNS、LP、メールなど、チャネルが増えても軸がブレずに、お客様の体験が“ひとつのストーリー”としてつながります。

6. チャネル選びの考え方

いろんなメディア(チャネル)を使う時は、役割を分けると効果的です。

  • 主役:お客様が一番よく見る場所(例:Instagram)
  • 助演:比較や検討に使われる場所(例:ブログ)
  • 前座:ブランドを思い出してもらうための場所(例:YouTube広告)

この考え方をすると、何をどこに出すべきか迷わなくなります。いまは広告、SNS、YouTube、ブログ、メールなど、集客に使える「チャネル(媒体)」がたくさんあります。そのぶん、「全部やらなきゃ!」と焦って、あれもこれも手を出してしまいがち。でも、全部に同じ力を注ぐのは非効率です。チャネルには、それぞれ役割があります。

まず考えるのは「主役」です。これは、ペルソナ(理想のお客様)がもっともよく使っている場所。たとえば、10代ならTikTok、30代女性ならInstagramかもしれません。ここでは、ブランドの“核となるストーリー”をしっかり届ける必要があります。

次に「助演」。これは、興味を持ったお客様が、さらに詳しく比較・検討するための場所です。たとえば、ブログ記事やYouTubeレビューなど。主戦場で芽生えた興味を深掘りして、「これにしよう」と思わせる役目です。

そして最後に「前座」。これは、ブランドを知ってもらうきっかけづくり。たとえば、バナー広告やテレビCMなど。最初の“気づき”を与えて、ブランドの存在を広く知ってもらいます。

このように、それぞれのチャネルに役割を与えて使い分けると、伝える内容やデザインの優先順位もはっきりし、無駄な量産や混乱を防ぐことができます。

7. ブランドの「匂い」を統一する

お客様がブランドを覚えるとき、ロゴやキャッチコピーだけでなく、「なんかこのブランドっぽいな」と感じる“空気”や“匂い”のような印象も一緒に記憶しています。この“匂い”こそ、ブランドの個性や世界観をつくる大事な要素です。

たとえば、言葉のリズムや語感、使う色、フォント、さらには句読点の使い方まで、ちょっとした違いがブランドの印象を変えてしまいます。Instagramではやさしい言葉を使っているのに、LPでは急にかたい文章になっていたら、見ている人は違和感を覚えるかもしれません。こうしたズレが積み重なると、「なんかこのブランド、ちぐはぐだな」と感じさせてしまうのです。

だからこそ、複数のチームや外部パートナーと制作を進める場合は、言葉づかいやデザインのルールを「ブランドガイドライン」としてしっかり決めておくことが大切です。たとえば、使う色のRGB値、見出しの書き方、語尾のルール、使ってOKな擬音語の種類などを明文化しておくと、誰が作っても同じ“ブランドの匂い”が立ちのぼります。

ブランドは“見た目”だけで覚えられるものではありません。“感じ取る雰囲気”まで含めて、トータルで記憶されるものなのです。

8. データをつなげて「ひとつの物語」にする

集客に関するデータは、あちこちに点在しています。広告のクリック数は広告管理画面に、サイトの訪問数はアクセス解析ツールに、購入履歴はPOS(販売管理)に、リピート情報はCRM(顧客管理)に……と、バラバラの場所にあるため、「全体としてどう動いているのか」が見えにくくなりがちです。

でも、集客は本来、点ではなく“線”で見るもの。お客様が広告を見て、Webサイトに訪れ、商品を購入し、レビューを書いてまた戻ってくる――この流れが1つの「物語」になっているのです。

そこで活用したいのが「BIツール(Business Intelligenceツール)」です。たとえばLooker Studioなどを使えば、複数のデータソースを接続し、時系列で整理して見える化できます。広告の反応と購入数、フォーム送信率、リピート率などを一つの画面に並べることで、チーム全員が「お客様の体験の流れ」を共有できます。

おすすめの見せ方は、ページを上から下にスクロールしながら「流入→行動→成果→継続→推奨」の順に並べる構成。最上部でアクセスの状況を見て、中段で購入率や離脱率、下段でLTV(顧客生涯価値)や紹介数を確認。これだけで「今、どこが詰まっているか」を全員で同時に会話できます。

用語メモ:BIツール
→複数のデータをつなげて、わかりやすくグラフや表にしてくれるツール。データ分析が得意でなくても使えるので、経営者にも現場スタッフにも便利。

9. 仮説を立てて、小さく試す

最近では、プライバシー保護の強化やCookie(ウェブの行動記録)の制限などにより、ユーザーの行動データを細かく追えない場面が増えています。さらにSNSや広告のアルゴリズムが“ブラックボックス化”していて、なぜその結果が出たのかがわかりにくいことも。完全な因果関係を見つけようとしても、限界があるのが現状です。

でも、それで止まってしまうのはもったいない。大切なのは、「たぶんこうすればよさそうだ」という仮説を立てて、小さくテストをすることです。テストの結果、うまくいったなら次のステップへ進み、ダメだったらすぐに撤退。仮説→実行→検証→修正。このサイクルを素早くまわしていくことが、今の時代の正しい進み方です。

たとえば、「Instagramの投稿を夜9時にするといい反応がもらえるかも」と思ったら、まず1週間だけ時間帯を変えて試してみる。うまくいけば続けて、反応がいまいちなら、次は別の曜日やコンテンツの形式を変えてみる。こうやって少しずつ“当たり”を見つけていくのが現実的です。

完璧な分析ができない今こそ、“推論”を武器に。成功も失敗も、次の仮説の材料になります。迷ったら、小さく試してみる。それが集客の力になります。

10. 購入後90日間が勝負!

お客様に商品やサービスを買ってもらったら、そこで終わり――ではありません。むしろ「買ったあと」の体験こそが、次につながる重要なポイントです。特に購入後の90日間は、“解約”や“離脱”が起こりやすい「感情のゆらぎ期」。この期間をどう過ごしてもらうかで、リピートや口コミの数が大きく変わります。

この時期に効果的なのが、段階的なコミュニケーション。たとえば、購入直後には「ありがとう」のメッセージ。数日後には「使い方ガイド」や「活用例」を送る。少し慣れてきたタイミングで「レビュー依頼」や「感想のシェア」をお願いして、さらに「あなたに合いそうな商品」をおすすめする――このように、時差をつけて少しずつ関わることで、お客様の中に安心感と満足感が積み上がっていきます。

さらに理想なのは、広告チームとカスタマーサポート(CRM)チームが同じ「配信カレンダー」を共有して動くこと。たとえば、LINEやメールの内容と広告バナーの雰囲気をそろえたり、投稿のタイミングを合わせたりすることで、ブランド体験に統一感が生まれます。

購入はゴールではなくスタート。90日間を「またこのブランドに触れたくなる時間」にできれば、ファンは自然と増えていきます。

11. チームで動くなら「スクラム型」

集客は一人でやるものではありません。広告、SNS、メール、サイト改善など、いろんな人や部署が関わって、チームで動くことがほとんどです。そんなときに大事なのが「情報の共有」と「改善のスピード」。これを両立させるために有効なのが、ソフトウェア開発の現場などでも使われている「スクラム型」のチーム運営です。

スクラムの基本は、「短い時間でこまめに話し合って、小さく試して、すぐに見直す」こと。たとえば毎朝5分、「昨日やったこと・今日やること・つまずいていること」を共有する「デイリースクラム」を実施します。これだけでも、チームの動きが見えやすくなり、誰かが困っているときにすぐに手を差し伸べられるようになります。

週に1回は「レビュー&振り返り」の時間をつくり、「何がうまくいったか」「改善できる点は何か」を全員で話し合います。ここで出てきた改善案は、翌週にはすぐにテスト。こうして仮説→実行→学び→修正のサイクルをチームで回し続けることで、成功の再現性がどんどん高まっていきます。

大きな成果をいきなり狙うより、小さな成功を早く、たくさん重ねる。スクラムはそのための強力な方法です。

12. 広告と経営、同じ画面で共有しよう

広告を担当する人と、経営を担う人――ふだんは別々の視点で仕事をしていることが多いですが、本当は同じゴールを目指しているはずです。でも、使う言葉や見ている数字が違うと、話がかみ合わなかったり、判断に時間がかかったりしてしまいます。

そこでおすすめなのが、「ひとつのシートで数字を共有すること」。たとえば広告担当者が作るシミュレーションシートに、広告費だけでなく、LTV(顧客の一生涯の利益)やCAC(顧客獲得コスト)、粗利率、回収期間などの項目も入れておきます。こうすることで、経営層は「この施策がどれだけ利益に貢献するのか」をリアルタイムで確認できます。

しかも、たとえば売上が上がってもLTVが短くて利益が出ない…といった問題にもすぐに気づけるようになり、判断ミスや無駄な議論が減ります。さらに、最悪のケース(売上が半減したらどうする?)もその場でシミュレーションできるので、柔軟な意思決定も可能になります。

このような仕組みを毎月の会議で回していけば、広告と経営が“同じ景色”を見ながら会話できるようになります。数字を「分かる人だけのもの」にしない。それが、チーム全体の強さにつながります。

13. 1年を「四季の物語」でとらえる

集客活動は日々の積み重ねですが、1年単位で見ると、大きな流れや“季節のような変化”があります。これを「春・夏・秋・冬」という物語の比喩でとらえると、戦略の立て方がグッとわかりやすくなります。

まず春(第1四半期)は「ブランドの種まきの時期」。この時期には、ブランドのトーンやメッセージを見直し、データの整理や基盤の整備を進めます。たとえば「誰に、何を、どう届けるか」の方向性を明確にし、必要なツールやチャネルの設定を行います。

夏(第2四半期)は「試行錯誤と改善の季節」。ここでは仮説を立てて、実際に広告を打って反応を見たり、SNSの投稿内容をテストしたりします。うまくいったものを残し、うまくいかなかったものはすぐに修正。失敗も学びに変えるフェーズです。

秋(第3四半期)は「広げる・深める時期」。夏に見つけた勝ちパターンを、他のチャネルや施策に展開していきます。同時に、既存のお客様との関係を深めてLTVを高める取り組みも加速させます。

冬(第4四半期)は「ふりかえりと仕込みの時間」。1年の成果を振り返り、翌年に向けた準備をスタートします。このとき、ただ数字を見るだけでなく、「どんな物語を描けたか」をチーム全体で共有すると、次の春がもっと豊かになります。

こうして1年を“ストーリー”としてとらえることで、感覚的にも計画的にも動けるようになります。全員で同じ季節を感じながら進むこと。それが、強いチームの土台です。

集客とは、数字を読み解く「科学」と、心を動かす「物語」のかけ算です。

この文章では、専門用語に説明を添え、表を使わず文章だけで、集客の流れをまるごと描きました。

明日の朝、「ちょっとこれ試してみようかな」と思ったら、ぜひ小さく動いてみてください。その仮説がチームの知恵となり、ブランドの物語をより豊かにしていきます。


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著者:muun管理者

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