手話の魅力を地域に広げる!「湘南しゅわ市場」実行委員会に聞く

2025/05/06

ろう者と聴者が共に過ごし、理解を深め合える場を目指して活動する団体「湘南しゅわ市場実行委員会」。彼らが主催するイベント「湘南しゅわ市場」は、手話やデフリンピックの普及を目指しながら、ろうの子どもたちに夢を与える活動として注目されています。今回は、湘南しゅわ市場のスタッフの小出波和さん、原口菜々実さん、真庭結生さんの3名に、団体設立の経緯やこれまでの取り組み、そして今後の展望について伺いました。

まず初めに、「湘南しゅわ市場」を設立した経緯を教えてください。

小出さん:
湘南しゅわ市場は、「ろう者と聴者をつなぐ架け橋になること」を目的に立ち上げました。手話という言語の存在をもっと多くの人に知ってもらいたい、そしてデフリンピックという国際的なスポーツ大会にも関心を持ってもらいたいという思いが原点です。

原口さん:
ろう者の子どもたちが自分に誇りを持てるようなロールモデルと出会い、夢や希望を感じられるような場を提供したい、という願いも設立の大きな動機となりました。

真庭結生さん(左)、小出波和さん(右)
原口菜々実さん

「湘南しゅわ市場」はどのようなイベントですか?また、開催のきっかけは?

真庭さん:
「湘南しゅわ市場」は、手話やろう文化に触れられる地域イベントです。開催地である茅ケ崎や平塚といった湘南エリアに住む人々に向けて、楽しみながら手話やろう者と関わる機会を提供しています。

小出さん:
イベントには、ろうの子どもたちが運営に関わるカフェやワークショップ、地域企業とのコラボ企画、さらにはスポーツ体験などを組み込んでいます。こうした活動を通じて、ろうの子どもたちが社会の一員として活躍できることを実感し、自信につながるような体験をしてほしいと思っています。

過去の開催の様子

これまでどのようなイベントを開催されてきましたか?

原口さん:
2023年12月に第1回を茅ケ崎中央公園で開催しました。ろうの子どもたちがスターバックスとのコラボカフェに参加し、手話で接客したり、スポーツ体験の場を提供したりしました。600人以上の方に来場いただき、手話への関心を持つきっかけになったという声も多く寄せられました。

第2回は2024年5月、「ペコちゃんのほっぺ」を販売するなど、ろう者と一般参加者が交流する場を提供しました。この時は約800人の来場がありました。

第3回は同年9月に平塚市見附台公園で実施し、地元サッカーチームと連携して、ふわふわ遊具やキックターゲットなど、子どもたちが主役のアクティビティを行いました。こちらも800人ほどの参加があり、手話を学びたいという親御さんからの声も増えてきています。

手話のステージはろう者は勿論、一般の方も楽しめる内容

イベント運営で特に工夫している点や、印象的だった反応などはありますか?

真庭さん:
出店者の中には手話ができない方も多いため、筆談ボードやサポートスタッフを用意して、安心してコミュニケーションできる環境を整えています。また、来場者が「見て学べる」雰囲気を作るため、会場の装飾やスタッフの対応にも力を入れています。

原口さん:
一番印象的だったのは、ある子どもが「手話をもっと勉強したい」と言って帰ったことです。その子の親御さんが後日、「手話サークルを調べて通い始めました」と教えてくれました。イベントがきっかけで家族ぐるみで新しい世界と出会えたことを、とても嬉しく思います。

小さなお子さんも初めて見る手話に興味津々

今後の活動の展望について教えてください。

真庭さん:
今後は、イベントの規模を広げながら、手話やろう者に関する理解をさらに深めてもらえるよう取り組んでいきたいと思っています。例えば、ろうのアーティストやアスリートを招いてのステージイベント、またろう者が経営するカフェや店舗を紹介するフェスなど、ろう文化をもっと身近に感じられる企画を構想中です。

小出さん:
また、現在の活動が一過性のものに終わらず、継続的な地域とのつながりになるよう、教育機関や行政とも連携していきたいと考えています。

手話学習会の様子

今月開催の第4回湘南しゅわ市場の注目ポイントは?

小出さん:
5/11のしゅわ市場は、今年11月に開催されるデフリンピックの日本代表選手をお招きし、いろいろなお話をお聞きする予定です!デフスポーツ特有の応援の仕方や、デフ陸上で使われている器具を使った体験会なども開催予定です。

原口さん:
今回もキッチンカーなど約50店が出店予定です。中でも私が注目なのは、地元茅ヶ崎の有名店「なんどき牧場」さんが初出店してくれます。茅ヶ崎メンチとなんどきコロッケを頬張りながら、是非イベントを楽しんで欲しいです。

真庭さん:
また、毎回皆様に楽しみにしていただいている「子どもカフェ」ですが、今回も開催予定です。こどもカフェは平塚ろう学校の生徒さんが実際に店員となって職場体験を行うもので、今回も素敵なカフェさんとコラボしますので、楽しみにいらしてください。

キッチンカーや雑貨店なども多く出店

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

真庭さん:
手話は「特別な人が使う言語」ではなく、誰でも学ぶことができ、日常に取り入れられるコミュニケーション手段です。私たちのイベントを通して、「手話って楽しそう」「ろう者と話してみたい」と思っていただけたら、それだけで大きな一歩です。

小出さん
どうぞお気軽に、イベントに足を運んでみてください。皆さんと直接お会いできる日を楽しみにしています。

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「湘南しゅわ市場」は、ただのイベントではなく、地域と未来をつなぐ“手話の架け橋”そのものだと感じました。
今月の5/11(日)には茅ヶ崎市役所前広場で第4回湘南しゅわ市場も開催されます。少しでもご興味のある方はぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか?
しゅわ市場の活動がこれからも多くの人に届き、ろう者と聴者の垣根を越える社会づくりが進むことを願っています。

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▼湘南しゅわ市場 公式Instagram
https://www.instagram.com/shonan_sign_language_market/
最新イベントの告知なども随時更新中!

▼5月11日(日)開催!第4回湘南しゅわ市場

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インタビューに答えていただいたのは…

湘南しゅわ市場 運営スタッフ
原口菜々実さん(写真左)、小出波和さん(写真中央)、真庭結生さん(写真右)

著者:muun編集部

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