2025/03/31
広報や広告の仕事をしていると、よく「PR」という言葉を耳にしますよね。でも、「PRって結局なに?」と聞かれると、説明に困る人も多いはず。
PRとは “Public Relations(パブリックリレーションズ)” の略で、簡単に言うと、「周囲との良い関係をつくること」。会社や団体、個人が、社会やお客さん、メディアなどと信頼関係を築くための活動のことを指します。
PRって、難しそうに聞こえるかもしれませんが、実はとってもシンプル。
この3つを実現するために、いろんな手段を使って情報を届けるのがPRです。SNSやプレスリリース、イベント、インタビュー記事など、方法はさまざま。すべては“人との良い関係”のためにあるんです。
「広報」「広告」「マーケティング」、全部似ているようで微妙に違います。
どれも大切だけど、PRは“会社やブランドの性格を伝える”ような役割だと考えると分かりやすいかもしれません。
PRの歴史はアメリカから始まりました。1900年代初頭、新聞やマスメディアの影響力が高まるなかで、企業や政府が市民と良好な関係を保つために「広報」の考え方が誕生したのです。
現代PRの基礎を築いた人物として、ふたりの名前がよく挙げられます。
このように、PRの始まりは「社会とどう向き合い、信頼を得るか?」を真剣に考えた人たちの努力から生まれたのです。
日本にPRが本格的に導入されたのは戦後。企業や自治体が広報部門を作り始め、情報発信を積極的に行うようになりました。
日本のPRは「控えめ」な傾向があり、海外と比べると自己アピールが苦手とも言われます。とはいえ、信頼や誠実さを重視する日本らしいPRも、近年では見直されています。
成功例:
失敗例:
ここから学べるのは、「正直さ」と「相手への思いやり」がPRには欠かせないということです。
広報1年目でまず取り組むのは、以下のような基本のPR活動です:
PRで一番大事なのは、「誰に、何を、どう伝えるか」をしっかり考えること。
例:
相手の立場に立って考えることが、良いPRの第一歩です。
「なんかこの会社、感じがいいな」と思ってもらえるPRが理想です。
「誰に」「何を」「いつまでに」伝えるのかを整理しましょう。
ターゲットに合った手段を選びます。
構成:
ポイントは「事実+ニュース性+読みやすさ」。
PRは「伝える仕事」ですが、何でもかんでも出せばいいというわけではありません。特に社内の機密情報、まだ確定していないプロジェクト内容、関係者の許可を取っていない写真などは要注意です。一度出した情報は取り消せません。だからこそ「この情報、出しても大丈夫かな?」という確認作業がとても大事なんです。
「話題になりそうだからちょっと盛って出しちゃえ!」……これはPRではNGです。誇張しすぎたり、事実と違う情報を流すと、あとから「信頼できない会社」と思われてしまいます。SNSの時代は特に、ウソやズレた表現はすぐに見破られます。短期的な注目より、長期的な信頼を大切にしましょう。
もし炎上や誤情報が広がってしまったときは、「すぐに対応すること」と「ウソをつかず正直に説明すること」が大切です。隠そうとしたり、他人のせいにすると、余計に信頼を失います。「ごめんなさい」と言える広報は、むしろ信頼を回復させるきっかけにもなるんです。
今や情報発信の中心はSNS。広報活動でも、SNSを使いこなせるかどうかがカギになります。ただし、使い方を間違えると炎上のリスクもあるため、戦略的に運用することが大切です。投稿内容・頻度・タイミング・ハッシュタグの使い方まで、きちんと設計しましょう。
それぞれのSNSには特性があります。ターゲットや目的に合わせて使い分けましょう。
SNSが主流とはいえ、紙のチラシやポスターが効く場面もあります。たとえば高齢者向けのイベントでは紙のほうが効果的なことも。大切なのは「どの層に、どんな手段が届くか」を見極めること。紙とSNSの両方を組み合わせることで、より広い層へのPRが可能になります。
日本のPRは「控えめ」「目立たない」「奥ゆかしい」と言われることが多いです。それは日本人の価値観に「謙虚さ」や「空気を読む」文化が根づいているから。アメリカのように「自分たちが正しい!」と堂々とアピールするよりも、調和を重視する姿勢がPRにも反映されています。
日本の企業では、メディアへの露出を増やすよりも、社内の調整や関係各所への配慮に力を入れることが多いです。また「波風を立てないこと」が重視されるため、尖ったメッセージを避ける傾向も。そのためPR担当者は、情報を出す際にも「誰かが嫌がらないか」「周囲に影響はないか」を細かく考える必要があります。
海外、特に欧米では、「企業としてのスタンス」や「社会への意見表明」をはっきり打ち出すPRが増えています。LGBTQ+や環境問題、人権などに対して積極的に声をあげる企業が多いのも特徴です。日本ではまだ慎重な姿勢が主流ですが、少しずつ社会的メッセージを発信する企業も増えてきています。
数字や分析はもちろん大切ですが、PRは「人に伝える」仕事です。だからこそ、相手の気持ちに寄り添う姿勢が何より重要です。「この言葉で誰かが元気になれるかな?」「この投稿、誰かを勇気づけられるかな?」——そんな視点が、心に届くPRをつくります。
PRは一方通行の発信ではなく、対話です。まず「聞く力」が大事。そのうえで「どうすれば伝わるか?」を考え、「わかりやすく届ける力」を身につけましょう。広報1年目のうちは、先輩やお客さんの声に耳を傾けることがいちばんの学びになります。
今、多くの企業が取り組んでいるのがSDGsやサステナブルな社会づくり。PRでも、単なる商品の紹介ではなく、「この活動が社会にどう貢献しているのか」を発信することが求められています。社会とのつながりを意識した広報が、今後ますます重要になります。
PRはただの「告知係」ではなく、「未来をつくる仕事」です。会社やブランドがどんな存在でありたいのか、その想いを社会に伝えることができるのが、PRという仕事の魅力。広報1年目でも、自分の言葉で未来を変える一歩を踏み出せます。
パブリックリレーションズ(PR)は、単なる情報発信ではなく、人とのつながりを育て、信頼を築くための活動です。SNSやプレスリリース、イベント、メディア対応など、やることはたくさんありますが、すべての根っこにあるのは「相手のことを思う気持ち」。
うまくいかないこともあるかもしれません。でも、1つずつ積み重ねていけば、確実に“伝わる力”は育っていきます。広報1年目のあなたにこそ、PRの面白さや奥深さを知ってほしい——そんな思いを込めて、この記事をお届けしました。
あなたの言葉と行動が、きっと誰かの心を動かします。