1. なぜイベント広報が成功のカギを握るのか
どんなに素晴らしいイベントを企画しても、誰にも知られなければ意味がありません。イベントの成功には、「企画」と同じくらい「広報」が重要な役割を果たします。
広報には、ただ情報を発信するだけでなく、「誰に」「どう届けるか」を設計する力が求められます。SNSの投稿、プレスリリース、メール、Webページ、紙媒体など、手段は多岐にわたりますが、それぞれに適した使い方とタイミングがあります。
本記事では、イベント広報の手段とその選び方、種類別の戦略、成功のための実践的なポイントまで、徹底的に解説していきます。
2. イベント広報の目的とターゲットを整理する
まず大切なのは、「なぜその広報をするのか?」を明確にすることです。イベント広報の目的には主に以下のようなものがあります。
主な広報目的
- 認知拡大(多くの人に知ってもらいたい)
- 集客(参加者を増やしたい)
- ブランド強化(主催者の信頼や好感度を高めたい)
- ファン化(イベント後も継続的に関係を築きたい)
ターゲット別に使い分けたい広報手段
ターゲット | 有効な手段 |
---|
20代〜30代の一般層 | SNS(Instagram・TikTok・X)、Web広告 |
既存の顧客・フォロワー | メール、LINE、DM |
業界関係者・報道機関 | プレスリリース、業界メディア |
地元住民 | チラシ、ポスター、地域メディア |
✔ 広報の“主語”をはっきりさせる
広報担当者が最初にやるべきことは、「誰が」「何のために」「誰に向けて」伝えるのかをはっきりさせることです。
たとえば、
- 自治体主催の地域マルシェ → 地域住民・高齢者向け・親しみやすい言葉
- スタートアップ企業の製品発表会 → メディア・投資家向け・信頼性ある文体
この主語と目的設定を間違えると、手段選びを間違えて「届かない広報」になってしまいます。
3. 【手段別】イベント広報の主要な方法と活用例
3-1. SNS(X・Instagram・TikTok・Facebook)を活用した広報戦略
イベント広報においてSNSの活用は欠かせません。それぞれのSNSには異なる強みやユーザー層があるため、目的やターゲットに応じて使い分けることが重要です。
■ X(旧Twitter)
- リアルタイム性に優れ、情報の速報・拡散に強い
- ハッシュタグ文化が根づいており、イベント特有のタグ(例:#○○フェス)で話題化しやすい
- 業界関係者やメディア記者の利用率も高く、BtoB・地域イベントとも相性が良い
活用例:
- 登壇者の名言・裏話を実況投稿 → 拡散と引用リポストで広がる
- イベントまとめスレッドで二次情報を提供 → 参加できなかった層にも届く
■ Instagram
- ビジュアル(写真・動画)重視のSNS。ブランドイメージづくりにも効果的
- ストーリーズ、リール、ライブ配信など多様な表現形式
- 若年層〜30代女性に人気があり、感性訴求に強い
活用例:
- イベント準備や裏側をストーリーズで毎日投稿し、期待感を醸成
- リールで30秒のダイジェスト動画を作成し、保存・拡散を狙う
- 会場からのライブ配信で来場できないフォロワーも巻き込む
■ TikTok
- 短尺動画に特化したSNS。Z世代中心に圧倒的な人気
- 音楽や編集、テンプレ活用によるトレンド反映が重要
- “エンタメ要素”があるイベントと非常に好相性
活用例:
- 会場のビフォー・アフター動画でワクワク感を演出
- スタッフがトレンド音源でダンスチャレンジ → UGC(ユーザー生成投稿)を誘発
- 「#来た人だけわかる」系のネタ投稿で共感拡散を狙う
■ Facebook
- 中高年層、地域住民、ビジネス層などの利用者が多い
- イベントページ機能が便利:参加表明・通知・コメント機能付き
- 長文コンテンツ・複数画像投稿にも対応しており、丁寧な告知に最適
活用例:
- イベントページ作成 → 参加者を集めつつ、最新情報を自動通知
- 終了後にフォトアルバム投稿 → 共感&コミュニティ化につながる
SNS活用の比較まとめ
SNS | 特徴 | 向いているターゲット |
---|
X | 拡散力・速報性に強く、実況・引用文化がある | 業界関係者、情報感度の高い層 |
Instagram | 写真・動画映え。ブランド演出や日常感演出に最適 | 若年層・女性・ライフスタイル志向 |
TikTok | 動画でのエンタメ・バズ力が高い | 10〜20代中心、エンタメ系イベント |
Facebook | コミュニティ形成・イベント管理がしやすい | 中高年層、地域密着イベント、ビジネス層 |
3-2. プレスリリース(メディア・記者向け情報配信)
- 公的性や信頼感を持たせられる
- メディア掲載→検索流入→拡散と連鎖が起こる可能性あり
- タイトル・見出し・概要のインパクトが勝負
活用例
- 新商品発表イベントを大手ニュースメディアに掲載し、TVやWebで二次拡散
- 地域紙・業界誌などにも展開してターゲット層の信頼を獲得
3-3. メールマーケティング(メルマガ・リマインド)
- 登録者や過去参加者に直接届けられる手段
- 開封率・クリック率を測定できる
- リマインドやフォローにも有効
活用例
- セミナー申込者に1週間前・前日にリマインドメール送信+参加URL案内
- 開催後のお礼メールやアンケート送信に活用
3-4. 自社サイト・特設ページ(LP)
- 情報を集約しやすく、SEOや広告とも連動可能
- SNSや広告からの導線先に最適
- フォームやカウントダウン、FAQを設置するのが効果的
活用例
- イベント専用ページを作成し、SNSやメール、QRコードで集客導線を構築
- 動画・ギャラリー・アクセス情報なども掲載して参加を後押し
3-5. イベント告知サイト(Peatix・こくちーず・Doorkeeper等)
- 特定のターゲットが「イベントを探しに来ている」
- 集客+チケット販売+リマインド機能も一元化
- 専門ジャンルに強い媒体を選ぶと◎
活用例
- BtoB系の勉強会をDoorkeeperに掲載し、ターゲット層にマッチして高参加率に
3-6. チラシ・ポスター・DM(オフライン)
- 地域密着イベント・年齢層高めの層に強い
- 配布・設置の場所とタイミングが重要
- QRコードでWebに誘導する設計が現代的
活用例
- 商業施設・駅・病院・学校などにポスター掲示し、LINE登録でイベント詳細配信
4. 【種類別】イベントタイプに適した広報戦略
イベントの種類によって、適切な広報手段やアプローチ方法は異なります。ここでは、主なイベントタイプごとにおすすめの広報戦略を紹介します。
地域イベント(商店街・自治体主催など)
- 地元メディア(タウン誌、地域新聞)との連携が効果的
- 地域の掲示板やスーパー・病院・駅へのポスター掲示
- 自治体の広報誌や回覧板に情報を載せる
ポイント: 「地域性」や「つながり」を感じるビジュアル・言葉づかいを意識する
企業セミナー・勉強会(主にBtoB)
- 業界メディアや専門紙にプレスリリースを配信
- 既存顧客リストへのメールや営業部門との連携
- 登壇者・共催パートナーのSNSアカウントも巻き込む
ポイント: ターゲットとなる企業担当者が“仕事で読む媒体”を押さえる
展示会・商談会(大型イベント)
- 出展企業一覧への掲載と、事前アポイントの呼びかけ
- XやFacebookで「○○ブースに来てください!」と当日の動線誘導
- ブース紹介動画やノベルティの告知も効果的
ポイント: 他社と比較される前提で、「差別化された情報設計」が重要
オンラインイベント(セミナー・配信・ウェビナー)
- SNSやWeb広告で認知拡大+申し込み動線設計
- 申し込み後のリマインドメールは必須(前日・当日)
- 開催中の実況・ライブ投稿、終了後のアーカイブ配信やレポートも効果的
ポイント: オンラインならではの“視聴ハードルの低さ”を活かし、拡散力を最大化する
5. 【時系列】いつ何をすべき?イベント広報スケジュール
広報は「タイミング」が命です。以下はイベント広報の基本的なスケジュールです。
時期 | 主な広報内容 |
1か月前 | プレスリリース配信、ティザー投稿、イベントページ開設 |
2〜3週間前 | SNS告知開始、広告出稿、メール配信開始 |
1週間前 | カウントダウン投稿、リマインドメール、事前質問の募集 |
前日 | SNSでの再告知、参加URL再送信、スタッフ最終確認 |
当日 | ライブ配信、実況投稿、現地レポート、ハッシュタグ活用 |
終了後 | 開催報告投稿、お礼メール、アンケート配信、メディアへの報告 |
ポイント: 最初から「終了後までの設計図」を作って動くと、すべてがスムーズになります。
6. 【実践】広報施策の効果を測定・改善する方法
イベント広報は出したら終わりではなく、効果を測定し、次回へ改善につなげることが重要です。ここでは、主な測定指標と改善の視点を紹介します。
主な測定指標(KPI)
手段 | 測定できる項目 |
X | インプレッション数、エンゲージメント率、リツイート数 |
Instagram | リーチ、保存数、ストーリーの完了率、ハッシュタグ経由の流入数 |
TikTok | 再生回数、シェア数、フォロワー増加数 |
メール | 開封率、クリック率、配信エラー数、解除率 |
Webページ | PV数、滞在時間、CV率、直帰率 |
イベント | 申込者数、来場率、アンケート回収率、満足度スコア |
改善につなげる振り返りの視点
- SNS告知のタイミングと反応の違いを比較する
- メール件名の違いによる開封率の変動を確認する
- イベント来場者の属性データと媒体別申込元を照らし合わせる
- アンケートで集まった声を次回の改善に活かす
ポイント: すべてを一気に改善しようとせず、「1つずつ検証・改善」を繰り返すことで広報精度は着実に向上します。
7. 【裏側】成功する広報のチーム連携と進行管理
イベント広報は、広報担当者ひとりで完結できる業務ではありません。企画、制作、営業、運営など、多くの部門・パートナーと連携して動くことが求められます。
チーム連携の具体的な工夫
- 広報・企画・運営・デザインの各担当で定例ミーティングを設ける
- チャットツールやGoogleスプレッドシートで進捗を共有する
- バナー制作・SNS投稿の締切や掲載日をカレンダーで可視化する
- SNS投稿案は事前に複数準備しておく
少人数チームの場合の工夫
- ToDoリストやテンプレートを用意して効率化
- テンプレ化できる作業(告知文、開催報告など)はストックを作る
- スケジュール変更やトラブルに備えた予備案も事前に検討しておく
ポイント: 情報共有と見える化、そして事前準備が成功のカギです。
8. 事例紹介|実際に成果を上げたイベント広報事例
ここでは、実際に効果を上げたイベント広報の事例を紹介します。
● 地域イベント × SNS拡散:市民フェスティバルの例
「#○○フェス2024」のハッシュタグで市民が投稿を拡散。参加者の写真がInstagramで話題になり、開催前に1万人以上に認知。Xでも地域のメディアが取り上げ、過去最高の来場者数を記録。
● オンラインセミナー × リマインド設計:BtoB企業の例
事前登録者に向けて、リマインドメール(1週間前、前日、当日朝)を配信。直前キャンセルが大幅に減少し、参加率が85%を超える。終了後にはアンケート+アーカイブ動画配信で商談化率も上昇。
● ポスター × LINE連携:高齢者向け相談会の例
地域の病院やスーパーにポスターを掲示し、QRコードからLINE登録へ誘導。スマホに不慣れな層にも届くよう、紙媒体とLINEで情報を二重に届けた結果、初回開催で80人を超える参加を実現。
9. 最適な広報手段でイベントの成功率を上げよう
イベント広報の成否は、単なる情報発信ではなく「伝え方」「届け方」の戦略にかかっています。
本記事の要点まとめ
- イベントの種類・目的・ターゲットに応じて広報手段を選ぶ
- SNS・メール・紙媒体など複数のチャネルを組み合わせる
- 開催前・当日・終了後と、広報フェーズごとに施策を設計する
- 成果は振り返りと改善によって積み上げていく
- チーム連携と情報共有が成功のベースになる
イベントは一度きりの勝負。だからこそ、広報の力で最大限の価値を引き出しましょう。