2025/03/28
マーケティング戦略の一環として開催される「集客イベント」は、従来の広告だけでは得られない直接的な顧客接点と深いエンゲージメントを生み出す手段として、多くの企業や自治体が活用しています。コロナ禍を経てオンラインイベントの普及も進み、「リアルとオンライン」のハイブリッド形式を取り入れたユニークな企画が増加中です。一方で、予算や人手の制約から「本当に集客できるイベントを作るのは難しい」という声もよく聞かれます。
そこで本記事では、低コストかつハイブリッド運営をベースに、業種別の集客イベント成功事例とその運営ノウハウを解説します。特に「これからイベントを企画するが、何から始めていいかわからない」「斬新なアイデアが欲しい」という方々に向け、幅広い事例を取り上げ、企画段階から運営、フォローアップまでのポイントを詳しくご紹介します。ぜひ、貴社や貴団体の広報・マーケティング活動に役立ててください。
SNSやネット広告が普及した昨今、消費者とのリアルな接触機会を作ることが、企業のブランド力強化やファンづくりにおいてますます重要視されています。商品やサービスの魅力を体験してもらう「体験型マーケティング」は、オンラインでの情報収集では得られない五感的な訴求や、参加者同士のコミュニケーションによる口コミ拡散効果が期待できるのです。
さらに、オンライン配信技術が発展したことで、リアル会場に足を運べないユーザーも遠隔地からイベントに参加しやすくなりました。これにより、会場のキャパシティや地域的制約に縛られずにターゲットを広げられるのが大きな魅力です。
コロナ禍以前は「会場に集客するリアルイベント」が主流でしたが、ソーシャルディスタンスの確保や外出自粛の影響を受け、多くの企業がオンラインイベントへシフトしました。現在では「リアルとオンライン」を融合させたハイブリッドイベントがスタンダードになりつつあります。
これらを組み合わせることで、参加者それぞれの状況に合わせた柔軟な参加スタイルを提案できるようになりました。
大規模イベントと聞くと「予算がかかりそう」と思うかもしれませんが、最近ではオンラインツールや無料SNSの活用により、大きな広告費をかけなくても成果を出す事例が増えています。さらに、コラボレーション相手を見つけることで費用を折半したり、SNSの口コミを上手に誘発して広告コストを抑えたりと、工夫次第で「低コストの集客」を実現できる可能性が十分にあるのです。
どんなイベントでも同じですが、目的を明確にすることが最初のカギとなります。例えば、
こうした目的に応じて、イベントの内容や訴求方法、配信形態が変わってきます。また、定量目標(集客人数、SNSでの投稿数、売上増加率など)と定性目標(参加者満足度、メディア露出度など)を事前に設定することで、成功度合いの測定がより正確になります。
イベントは「来てほしい人」が参加してこそ意味があります。具体的なターゲット層を設定し、そのターゲットの「悩み」「好み」「ライフスタイル」を徹底的に洗い出すと、より響くコンテンツや演出を考えやすくなります。ペルソナをしっかり設計することで、イベントのテーマやコンテンツ、SNSでの発信内容まで統一したメッセージを届けることが可能です。
ターゲットに応じてオンラインとオフラインの比重を検討します。例えば、学生向けのイベントであればオンライン配信を積極的に行い、SNS拡散を狙う。逆に、地域密着型ビジネスで高齢層がメインなら、リアル会場での直接的なコミュニケーションに力を入れる、など柔軟に組み合わせるのがポイントです。
オフライン会場は密を避けるレイアウトや衛生対策をしっかり整備する必要がありますし、オンライン参加者に対してはスムーズな配信環境(カメラや音響設備、インタラクション用チャットツールなど)を準備しなければなりません。予め運営体制やスタッフの役割分担を決めておくことで、当日のトラブルを最小限に抑えることが可能です。
ここからは実際に様々な業種で行われた集客イベントの成功事例を紹介します。それぞれの事例における運営のポイントや低コスト化の工夫なども併せてご覧ください。
事例概要
あるスタートアップ企業がクラウド型ソフトウェアをリリースしたが、広告費を大幅に抑えつつ全国の潜在顧客に使いやすさをアピールしたいと考えました。そこで、
成功要因
事例概要
地方都市の商店街が活性化のため、コロナ禍後にスタンプラリー型の街歩きイベントを企画。通常のスタンプラリーに加え、オンライン上で地図や店舗情報を閲覧できるサイトを作り、遠方の人にも情報発信を行った。
成功要因
事例概要
飲食店が新メニューをリリースする際、店内での試食イベントと同時にオンラインライブ配信を行うというハイブリッド形式を実施。YouTube LiveやInstagram Liveでキッチンの様子を映しつつ、視聴者に向けてデリバリー注文のクーポンコードを発行した。
成功要因
事例概要
アパレルブランドが認知度向上を目指し、ショッピングモール内でポップアップストアを展開。同時にSNSでの「フォトコンテスト」を開催し、購入者がコーディネート写真を投稿すると割引クーポンがもらえるというキャンペーンを実施した。
成功要因
事例概要
語学スクールが新コース開設に合わせて、「無料体験レッスン+オンライン説明会」をセットで開催。会場ではネイティブ講師との英会話ワークショップを小人数制で行い、それをZoom配信しながら、遠方の方にも見学だけでも参加できる形を作った。
成功要因
イベントの費用負担を一社だけで背負うのはリスキーです。協業できるパートナー企業や自治体、NPOなどを探し、コラボイベントとして開催することで、お互いの強みを活かしながら宣伝効果を高められます。また、イベント参加者へのプレゼントやノベルティも、協賛企業からの提供を受けることでコスト削減につなげられます。
大手プラットフォーム(YouTube、Instagram、Twitterなど)やZoom、Google Meetなどのオンライン会議ツールは、基本機能であれば無料または低コストで使えます。大人数対応プランに切り替えるとしても、従来の広告出稿費用に比べればはるかに安価でしょう。
大規模運営を目指すのでなければ、最少人数かつ複数タスクを兼任する形でもイベントは運営可能です。特に若い人材やインターン、大学生ボランティアなどを積極的に採用・依頼することで、SNS運用やイベント現場でのサポートをお願いでき、コスト削減につながります。
どうしても会場が必要な場合は別ですが、イベントの一部または全部をオンライン化することで、大きな会場費や設営費を抑えられます。リアル会場を使う場合でも、無償または格安で借りられる公的施設や社内会議室を活用し、余計な出費を抑えるのが得策です。
「このイベントに参加すると、どんなワクワクや学びが得られるのか?」を明確にするため、テーマやコンセプトを設定しましょう。その際にストーリーテリングの要素を取り入れると、参加者の心理的ハードルを下げ、より強い興味を引き出せます。
多くの企業が陥りがちなのが、「SNSのみ」や「チラシのみ」と、単一チャネルに頼りすぎることです。効果的なイベント集客には、以下のチャネルを組み合わせましょう。
複数のチャネルで同じ情報を配信する際、デザインやキャッチコピーの統一感を持たせることで、ブランドメッセージを強固に伝えられます。
当日の運営では、リアル会場とオンライン配信の進行を同時に管理する必要があり、スタッフの役割分担がとても重要です。以下のようなタスク区分を事前に決めておくと、混乱が少なくなります。
イベント終了後に参加者へアンケートを行い、満足度・改善点・興味関心などの定量的・定性的データを収集します。得られた結果は次回イベントの企画に大いに役立ちますし、好意的なコメントは口コミやSNS投稿の素材としても活用可能です。
一度きりで終わるイベントよりも、「毎月○日に開催」「年に2回の定期イベント」といった定期開催の方が認知されやすく、ファンもつきやすい傾向があります。また、イベントごとにストーリー性を持たせ、前回の参加者が「次も参加したい!」と思うシリーズ展開にするのも効果的です。
イベント中の盛り上がりを、SNS上でも継続させるために専用ハッシュタグを作り、参加者に投稿を促す手法は定番になりつつあります。その投稿をきっかけにさらに多くの人が興味を持ち、次回イベントへの参加意欲を高めてくれるケースも少なくありません。また、FacebookやLINE、Discordなどで参加者限定コミュニティを運営し、定期的に情報を配信してリピーター化を狙う方法も有効です。
BtoB企業の場合、イベント参加後すぐに契約には至らなくても、数ヶ月後や次年度の予算タイミングで検討されることも多々あります。そこで、イベント参加者をマーケティングオートメーションツールで管理し、ステップメールやキャンペーン情報を定期的に送るとロストリードの掘り起こしが期待できます。
この流れを仕組み化すると、今後のイベント集客や売上拡大に継続的に貢献することができます。
これまで、さまざまな業種における集客イベントの成功事例を紹介してきました。それぞれのケースに共通するポイントを整理すると、以下のようになります。
すでに一部の大手企業やエンタメ業界では、メタバース空間を使ったバーチャルイベントが実施されています。アバターを操作して会場を自由に歩ける仕組みや、VRデバイスを通じて360度の没入感を得られる展示体験など、今後はより技術が進歩し、中小企業でも導入しやすくなる可能性が高いでしょう。
定期的に開催されるイベントやオンライン勉強会に、月額制で参加できる「サブスク型」のモデルも注目されています。毎回新しい内容を少しずつ提供し、会員の継続率とコミュニティ活性を両立させることで、長期的な売上とファンベースの拡大が見込めます。
イベント運営で蓄積された参加者のデータ(アンケート結果、SNS反応、閲覧履歴など)をAIで分析し、次回以降の企画やマーケティング戦略に活かす動きが広がっています。いつ、どこで、どんな情報を出すと一番集客効果が高いのかを数値的に予測しながら、より最適化されたイベント運営が可能になるでしょう。
本記事では、**「低コスト&ハイブリッドで大成功!業種別に見る最新集客イベントの成功事例と運営ノウハウ」**というテーマで、さまざまな事例やポイントを紹介してきました。改めて、重要な点を振り返ってみましょう。
集客イベントは、決して大企業だけのものではありません。小規模な飲食店から地域のNPO、スタートアップ企業に至るまで、「体験」を軸にしたコミュニケーションこそが、ファンや顧客を増やすための近道です。必要なのは、大量の広告費ではなく、「どんなストーリーや価値を提供できるか」というアイデアと実行力。
ぜひ、今回ご紹介した成功事例やノウハウを参考に、低コスト&ハイブリッド運営で大きな集客とブランド力向上を同時に実現してみてください。新しいイベントの形を模索する中で、思いもしない顧客層やファンとの出会いが待っているかもしれません。次に企画するイベントが、貴社や貴団体にとってのブレイクスルーの契機となるよう願っています。