2025/03/21
プレスリリースは、多くの企業や団体が新商品やサービス、イベント情報などを公表する際に用いられる重要な広報ツールです。以前はFAXや郵送でメディアに送られる紙媒体が中心でしたが、デジタル化が進んだ現在ではメールや配信サービスを通じて、PDFやWebページ形式での送付が主流になっています。そんなプレスリリースの世界で、デザインの重要性がますます注目されているのをご存知でしょうか。
「プレスリリースは文章が命」「内容がすべて」と言われてきた時代もありましたが、SNSやビジュアル重視のメディアが台頭している現代においては、読み手の目を引き、情報をスムーズに伝えるためのデザイン戦略が欠かせません。本記事では、読み手を魅了するプレスリリースをデザインするための具体的な方法や考え方、事例を豊富に取り上げながら、ブランド力を高めるためのヒントをご紹介します。
本文は以下のような構成で進めます。
ぜひ最後までご覧いただき、自社(あるいはご自身)のプレスリリースデザインをより魅力的に、より効果的にするためのアイデアを見つけてみてください。
プレスリリースは、ともすると「文章が主体」「情報量が多い」文書だと思われがちです。しかし実際には、記者や編集者、SNSを通して情報を得る一般ユーザーなど、多くの人が限られた時間の中で大量の情報に接しているのが現状です。そのため、「見やすさ」「読みやすさ」「一目で要点がわかること」が、プレスリリースの成否を大きく左右します。
プレスリリースにおけるデザインとは、単に“おしゃれ”にすることではありません。「限られた情報をわかりやすく整理し、伝えたい内容を的確に理解してもらう」ための仕組みづくりなのです。こうした視点から、デザインの良し悪しが読み手の第一印象を左右し、記事化やSNS拡散につながるかどうかを大きく左右するといえます。
文章だけで全部伝えようとしても、読み手が最初から最後までじっくり読んでくれるとは限りません。だからこそ、レイアウトを工夫したり写真やイラストをうまく使ったりすることで、見た目でも情報が整理されて、パッと理解しやすくなります。
こうした工夫があると、読み手は短い時間でポイントをつかみやすくなって、結果的にプレスリリースの伝えたいことがちゃんと伝わりやすくなります。
プレスリリースは、多くの場合「公式な文書」として見られます。企業や団体が出す情報の中でも、かなりフォーマルなものと考えられるため、、ロゴの使い方や色づかい、フォントの選び方、全体の雰囲気など、デザインに統一感があると、「この会社はしっかりしてるな」という信頼感につながります。
たとえば、社内資料やWebサイト、SNS、広告などでいつも使っているコーポレートカラーをプレスリリースでも使えば、イメージに一貫性が出て、ブランドとしての印象もより強めることができるでしょう。
プレスリリースは文章量が多くなりがちですが、以下のポイントを意識したレイアウト設計によって、読み手の負担を軽減できます。
プレスリリースは基本的に「白背景に黒文字」というスタイルが多いですが、ポイントとして企業のコーポレートカラーやアクセントカラーを取り入れることで、視線を意図したポイントに誘導する効果があります。ただし、過度にカラフルにしすぎるとビジネス文書としての印象が損なわれる場合があるため、2~3色程度に抑えるのがおすすめです。
ブランドカラー[※1]とは、企業や商品、サービスを象徴する色のこと。ロゴやWebサイト、広告などに一貫して使われることで、視覚的な統一感を生み出し、認知度向上につながる。色にはそれぞれイメージや心理的効果があり、たとえば「青」は信頼感、「赤」は情熱やエネルギーといった印象を与える。ブランドの個性やメッセージを視覚で伝え、他社との差別化にも貢献する重要な要素。
プレスリリースに使用するフォントは、読み手にとってのわかりやすさが最優先です。ビジネス文書で一般的に使われるゴシック系や明朝系のフォントが無難ではありますが、デジタル配信が主流の昨今では、スクリーン上での見やすさも考慮した選択が重要になります。
プレスリリースに写真や画像を挿入する場合は、解像度やファイルサイズに気をつけましょう。印刷物として扱われる可能性がある場合、高解像度の素材(300dpiで印刷する場合はA4でも2480 × 3508 ピクセル程度のサイズが必要です)を別途用意しておき、必要に応じてメディアに提供できる体制を整えておくのが理想的です。
数値データや比較情報を視覚的に見せるために、グラフやチャートは非常に有効です。特に円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフなどは、統計情報や成長率を分かりやすく示せます。ただし、グラフのデザインが複雑になりすぎたり、色使いが多すぎると逆に読みづらくなることもあるので注意が必要です。
近年注目されているインフォグラフィックは、複雑な情報を視覚的にまとめた図解やデザイン要素のこと。テキスト主体のプレスリリースに一部インフォグラフィックを組み込むと、読み手の興味を引きながら情報をわかりやすく伝えることが可能です。
例えば、新商品に関する以下の情報を1枚のインフォグラフィックにまとめてみるとわかりやすいでしょう。
インフォグラフィックを挿入する位置も重要です。本文の途中に挿入すると、文章を読むペースを損ねてしまう可能性があるため、章末や文末など、内容の区切りの良い場所を選ぶのがおすすめです。
プレスリリースは、企業やブランドにとって「公式の声」であり、その企業らしさを最もアピールしやすい場でもあります。デザイン面においても、普段から使っているロゴやコーポレートカラー、書体などを統一的に使用することで、ブランドイメージを一貫して伝えられるのが大きなメリットです。
こうした工夫により、プレスリリースが「単なる情報の羅列」で終わらず、ブランド体験の一環として読み手に届きます。
大企業だけでなく、スタートアップや中小企業もプレスリリースのデザインに注力することで、競合他社との差別化を図ることが可能です。とりわけ、知名度がまだ低い段階では、視覚的に魅力的で読みやすいプレスリリースを作ることで、記者や読み手に「お、なんだか面白そう」「センスがいい」とポジティブな印象を与えることができます。
プレスリリースがデジタル配信される場合と、印刷される可能性がある場合では、デザイン上の留意点が異なります。たとえば、印刷物を想定するのであれば紙のサイズ(A4縦、A3横など)や余白の取り方を意識する必要があります。一方、デジタル配信の場合はページ送りを意識した段落構成が重要になります。
いずれも想定する配信・閲覧環境によって、最適なデザインを選ぶことが求められます。
プレスリリースのデザインテンプレートを利用すれば、短時間で整ったレイアウトを作れるメリットがあります。実際、WordやGoogleドキュメント、Adobe InDesignなどで用意されているテンプレートを使う企業・団体も少なくありません。ただし、以下の点に留意しましょう。
最近では、CanvaやAdobe Expressといったオンラインデザインツールが普及しており、無料または低コストで使えるテンプレートも増えています。これらのツールを活用することで、専門的なデザインスキルがなくても比較的高水準のレイアウトを簡単に作成可能です。以下のような機能を活用すると便利です。
プレスリリースデザインは一度きりの作業ではなく、定期的に新情報を発信する中で繰り返されます。そこで社内向けに標準フォーマットやデザインガイドラインを整備しておくことが効率的です。
ここでは、実際にデザイン面で高く評価されたプレスリリースの例をいくつかご紹介します。どのような工夫がなされていたのか、ポイントを見てみましょう。
背景: 新しいクラウドサービスをリリースしたA社は、知名度が低い中でメディアに取り上げてもらうため、デザインにも力を入れたプレスリリースを作成。
デザインの特徴:
結果:
背景: 地元の特産品を使った新商品を発売し、地方新聞やローカルテレビ局に積極的に取り上げてもらいたいと考えていました。
デザインの特徴:
結果:
背景: 新規事業のローンチに際し、既存顧客と新規ユーザーに向けた告知を一本化して配信、信頼感と新鮮さの両立を目指しました。
デザインの特徴:
結果:
デザインに注力しても、文字情報に誤字脱字があったり、数値のミスがあると信用度が一気に下がってしまいます。社内で複数人のチェックを行い、内容の正確性と可読性をしっかり確認しましょう。
プレスリリースを配信する前に、経営層や関連部署にも最終版を確認してもらい、全社的にメッセージが統一されているか、デザインと内容が乖離していないかをチェックします。広報担当だけでなく、マーケティングや開発チームなどが協力してレビューすることで、より質の高いリリースに仕上がります。
プレスリリースを配信したら、掲載状況をトラッキングし、どのメディアやサイトが取り上げてくれたのかを確認します。同時に、SNSでの反応やクリック数、問い合わせ数などのデータを集め、デザイン面も含めた効果を検証しましょう。
これらを次回以降のプレスリリース作成に反映し、継続的にデザインをブラッシュアップしていくことが大切です。
本記事では、「プレスリリース デザイン」をテーマに、読み手を魅了するプレスリリースを作るためのポイントを幅広く解説しました。
実際にプレスリリースを作成する際には、単に文章をまとめるだけでなく、どのように見せるかを同時に考えることが欠かせません。ビジュアルを適切に活用し、レイアウトや配色にこだわることで、読み手に与える印象は格段に良くなり、結果としてメディア掲載率やSNSでの拡散度合いも変わってくるでしょう。
最後に、プレスリリースはあくまで「情報」を伝えるための文書です。しかし、その「情報」をより多く、より正確に、より魅力的に伝えられるかどうかは、デザイン次第で大きく変わります。ビジネスの成長やブランド浸透を目指すうえで、ぜひ「読み手を魅了するプレスリリースデザイン」を実践してみてください。