株式会社桃谷順天館(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:桃谷誠一郎)は、ニキビ(尋常性ざ瘡)の予防に関する新たな研究成果を発表しました。同社は、コメド(白ニキビ)の発生メカニズムに着目し、センブリエキスがケラチン79の発現を回復させる効果を確認しました。この成果は、2024年11月18日から20日に神戸国際会議場で開催された「第2回日本化粧品技術者会学術大会」で発表されました。
ニキビは多くの人々が抱える肌の悩みであり、見た目の問題だけでなく、自己肯定感の低下やコミュニケーションへの消極性など、社会生活にも影響を及ぼします。近年の研究では、コメドの発生がニキビの初期症状であり、その抑制が重要とされています。同社は、コメドの発生を抑制する成分の探索を通じて、ニキビ予防に寄与する化粧品の開発を目指しています。
毛包漏斗部上皮や脂腺の細胞にはケラチン79が発現しており、その分化異常がコメド発生の引き金となる可能性が示唆されています。実際、ニキビ患者から採取されたコメドの多くでケラチン79の発現が低下または消失していることが報告されています。
同社は、ニキビができやすい被験者2名の頬部からコメドを収集し、ニキビの重症度とケラチン79の発現量の関係を調査しました。その結果、重症な部位ほどケラチン79の発現が低いことが明らかになりました。
さらに、ケラチン79の発現を回復させる化粧品成分を探求するため、不死化ケラチノサイト(PSVK1)を用いて165種類のエキスをスクリーニングしたところ、センブリエキスにケラチン79の遺伝子発現を回復させる効果が確認されました。
この発見を基に、同社はコメドの発生を抑制するスキンケア製品の開発に取り組んでいます。従来の「治療」から「予防」へのアプローチ転換を図り、誰もが自信を持って過ごせる肌を実現する新しい世代のスキンケア製品の提供を目指しています。この研究を通じて、多くの若者の肌の健康と生活の質(QOL)の向上に貢献することを目指しています。
桃谷順天館グループは、約400年続く薬種業を受け継いだ創業者が1885年に「美顔水」を開発したことをきっかけに、139年間にわたり美と健康を追求してきた化粧品メーカーです。「人と地球の美しい未来を創る ~For Beauty and Well-being~」をパーパスに掲げ、4社からなるグループ経営を行っています。長い歴史とともに培った技術力と品質力をさらに進化させ、国内外で包括的に『美』を提供する企業グループを目指し、企業活動を続けています。
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