岐阜県高山市にある「ゆはら染工」では、飛騨地方の伝統工芸「飛騨染」の寒ざらし作業が始まりました。この技法は、飛騨地方の祭りで使われる衣装を鮮やかに仕上げるための重要な工程であり、冬の風物詩としても知られています。
飛騨染は、獅子舞や闘鶏楽の衣装として用いられる伝統的な染物で、竜や鳳凰などの精緻な模様が特徴です。特に高山祭では、華やかな衣装として登場し、地域の文化を象徴する工芸品となっています。
寒ざらしとは、冬の寒さを利用して染めた布を天日干しし、冷風と日光にさらすことで発色を良くする伝統技法です。この作業を行うことで、染料がより深く生地に定着し、白地部分は自然な漂白効果を得ることができます。特に雪の反射光が影響し、鮮やかな色合いを生み出します。
今年は例年より雪が少なく、寒ざらし作業が一時中断されましたが、2月7日から再開されました。3月中旬まで続けられる予定です。作業を行う「ゆはら染工」の5代目、柚原雅樹社長は「ようやく雪が積もり、寒ざらしの本番を迎えられました。綺麗な仕上がりになることを期待しています」と語っています。
飛騨染は、長い歴史の中で培われた技術を守りながら、現代のライフスタイルにも取り入れられています。祭り衣装だけでなく、インテリアやファッションアイテムとしても活用されるようになり、その魅力は国内外で注目を集めています。今後も伝統を守りながら、新たな可能性を模索していくことが期待されます。
元記事:
飛騨染の寒ざらし作業が開始