トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ」)は、自動車の鉄廃材を活用し、山形鋳物の伝統技術を用いた急須・冷酒器を、日本最古の山形鋳物工房である菊地保寿堂(山形県山形市)と共同で製作しました。この取り組みは、伝統工芸品に自動車廃材を取り入れ、新たな価値を創造することで地域社会への貢献を目指す活動の一環です。
Geological Designによる新たなモノづくり
トヨタの構造デザインスタジオでは、経済性(安価で製造しやすい)、技術力(軽量で高性能)に加え、環境への配慮(地球環境を考慮)という3つの価値観を融合させ、「捨てるところのないモノづくり」の実現を目指しています。この理念のもと、クルマの製造から廃棄までを見直し、リサイクルが難しい廃材については、自治体や地域の工芸家、アーティストと協力し、付加価値を持たせたアップサイクル「次の命づくり」に取り組んでいます。この活動は「Geological Design(ジオロジカルデザイン)」と称されています。
自動車廃材アップサイクル急須・冷酒器の特徴
この製品は、天空に舞う雲をイメージした形状で、日本を象徴する「ジャパンブルー」と称される藍色を基調とし、夜空を連想させる深みのある色合いに銀の星を散りばめています。また、形状は雪に覆われた山形の霊峰・月山をモチーフとしています。日本茶の急須としてだけでなく、紅茶や中国茶の茶器、コーヒードリップ用ポット、さらには燗瓶や冷酒器としても多用途に使用できます。
注意事項
菊地保寿堂15代当主・菊地規泰氏のコメント
「自動車の鉄廃材を再利用して、“人の五感に響くような製品づくり”を目指しました。「廃材」と聞くとマイナスなイメージがあります。そのため製品をただ創るのではなく、人や自然に優しい製品にまで創りあげることが重要です。たたら製鉄法から生まれた和銑鋳造法に当社の鋳造精錬法を応用することで、人や自然に優しい製品に創り変えられると確信し苦労のすえに製作しました。これからは、地球や自然に生かされていることへの感謝を込めるようなものづくりが求められると思います。Geological Designの取り組みとプロダクトはまさにこの考えが根底にあり、今後世界から求められる思想哲学になっていくことを期待しています。」
菊地保寿堂について
菊地保寿堂は、「伝統と革新」を理念に掲げ、安全・地球貢献・感動を生み出す鋳物製品づくりを目指し、420年間鋳物工房を営んでいます。現代の生活に合わせた彩色ティーポットの開発・製作を行い、パリを中心に世界で高い評価を得ています。環境や人体に優しい鋳物製品づくりを追求し続けています。
公式サイト:https://www.wazuqu.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/wazuqu/
トヨタ自動車 構造デザインスタジオ テーマプロデューサー・大學孝一氏のコメント
「420年にわたり山形鋳物を手掛けられてきた菊地保寿堂様の卓越した技術により、自動車廃材の鉄が新たな価値を持つ素晴らしい製品に生まれ変われたことを大変嬉しく思います。本活動が、山形のものづくりや山形鋳物の更なる認知向上など、地域の活性化や産業振興のお役に立てることを願っております。また、今後も、クルマづくりのみならず、職人の皆さまとの共創を通じて、「Geological Design」に取り組む仲間を、業界を問わず増やしていきたいと思います。」
元記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000105.000104325.html